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今日も一人、塾の教室で数字を眺めている。 12月の数字が大筋で見えてきた。……また、赤字だ。 副業で補填もしたが、到底追いつかなかった。
塾の運営については、教室長にある程度任せるつもりでいた。彼にはフランチャイズ本部のスーパーバイザー(SV)もついている。しかし、現実は甘くない。数字という結果に表れてこない以上、会社員時代に部下を指導していたように、そろそろ私自身が教室長へ直接指導をしていかなくてはならない事態にきていると感じている。
「任せる」と「放任」は違う。 かつて外資系のマネージャーとして数億円を動かしていた頃の厳しい視線が、自分の中で蘇る。
そして、私は私で、自分の動き方を見直さなければならない。
現在、前職の縁で業務提携を結んでいる仕事は、不安定ながら月20万円前後。その隙間に他の仕事も詰め込んでいるが、それでも今までの貯金を切り崩していくしかない状況が続いている。
生活費の見直しはやり尽くした。 削るのにも限界がある。 ならば、やはり「収入を増やす」のが一番の解決策だ。
塾の数字が伸びたとしても、今の私のキャッシュフローを安定させるには、まだ足りない。 もっと大きな、三本目の柱が必要だ。
そこで辿り着いたのが、「不動産」という分野だった。
正直に言えば、全然自信がない。 20代で住宅を購入した経験はある。50代でフルリフォームも行った経験もある。 けれど、実務に関しては素人同然だ。 この歳になって、またゼロから新しい看板を背負うことへの恐怖。 「本当に私にできるのか?」 そんな問いが、静まり返った教室に響く。
不動産に辿り着いたのは、単なる思いつきではない。 実は宅建は持っていない。けれど、私が選んだエージェントという道は、資格がなくても、これまでの人生経験を武器にスタートできる場所だった。
思い返せば3年前、50代に入ったころ。 私は自宅のフルリフォームを一人でやり遂げた。 家族の助けはほとんどなく、不動産屋とのシビアな交渉も、各メーカーのショールーム巡りも、すべて一人。たまに子供が付き合ってくれることはあったが、家人が顔を出すことは一度もなかった。途中まで不動産屋はシングルと思っていたらしいほど。
あの時の、ショールームの華やかな明かりの中で感じた、突き刺さるような孤独感。 でも、その孤独の中で、私は自分の手で『住まい』を作り直す手応えを掴んだのだと思う。
専門知識(宅建)は、これから積み上げればいい。 私には、あの時一人でショールームを歩き回った『当事者としての経験』がある。 住まいを整えることが、いかに孤独で、いかにエネルギーの要ることかを知っている。
だからこそ、同じように不安を抱えながら住まいと向き合う誰かの隣に、誠実なエージェントとして立ちたいと思ったのだ。
私は不動産エージェントへの加入を決めた。 月額数万円、1年契約。 今の私にとっては、決して安くない、震えるような投資だ。
でも、この「痛み」こそが、今の私には必要なのだと思う。 安全地帯にいては、この赤字のループは抜け出せない。 外資系のキャリアも、過去の成功体験も一度脇に置いて、泥臭く、誠実に、もう一度「稼ぐ力」を再構築したい。
自信はない。 けれど、もう退路は断った。
一人の教室で、明日への戦略を練り直す。 この挑戦が、いつか「あの時踏み出してよかった」と笑える日を信じて。


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